『向田の火祭(こうだのひまつり)』
【2024年度は7/27(土)開催決定】
能登島には、地区ごとに古くから伝わる祭りがあります。
その中でも規模が大きく有名なのが、日本三大火祭りにも数えられている「向田(こうだ)の火祭」で、石川県指定無形民族文化財となっています。向田の火祭は向田町の伊夜比咩神社(いやひめじんじゃ)の祭礼で、神社から神輿やキリコを担ぎ出します。そして広場に集まり、高さ30mの柱松明(はしらたいまつ)の周りを巡ります。合図とともに、柱松明に火が点けられ、たちまち勢い良く夜空を焦がし、その柱松明の倒れた方向でその年の豊漁や豊作を占います。伊夜比咩神社の女の神様と越後の男の神様が、この松明を目印に年に一度このお祭りで出会われるというロマンチックな一説もあります。
島には、各町ごとに神社があり、秋祭りが盛んで毎日どこかの町で祭りが行われています。
昔から祭りは、島の娯楽の1つであり、さらに島だったことで伝承の風化も少なく、大切に受け継がれてきたといえます。家々を巡りそのつど踊りが奉納されるのも珍しいことです。集まった親戚や観衆から冷やかしや、やんやの喝采を受けます。
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各町内ごとに「にわか」と「獅子舞」が行われます。即興芸の「にわか」では、猫踊りや、馬踊りといった風変わりな踊りや浄瑠璃の流れをくむ団七踊りがあります。この他にも三番叟、「武蔵と小次郎」、斧などの武器で舞う獅子舞など、演目は6、7種もあり、特徴のある踊りがそれぞれの地域で伝承されてきました。
団七踊りは、親の敵である悪代官にいどむ姉妹の話。なぎなたとくさりがまの武器で修行し、仇討を行います。「志賀団七の仇討ち」として全国各地に残っていますが、狭い島の地域にこれだけ集中して残っているのは、珍しいとの事です。
猫踊りは別所町の独自のもので江戸後期から明治初期に創作されました。南総里見八犬伝を題材に、親の仇の化け猫を退治する踊りです。
半浦町の馬踊りは、源平合戦の一幕で、黒馬の熊谷次郎直実と白馬の平敦盛の戦いを描いています。
町々で踊りのスタイルも違い、その個性を磨いて人々の誇りにもなっている能登島のお祭り。ぜひ訪れて楽しんで下さい。